輪るピングドラム 第18話「だから私のためにいてほしい」

 陽毬を拉致した多蕗は、冠葉に対してある取引を持ちかける――。
 多蕗先生回。
 やっぱり……というわけで多蕗先生も両親に恵まれていなかったという。本作は、両親に恵まれなかった子供達が、それをどう克服していくのか、って話になる……のかなぁ。
 ピアノが弾けなくなり親から見捨てられた多蕗先生は、だが桃果から存在理由を与えられる――。桃果は多蕗先生とゆりさんに対して無償の愛を提供していたわけで、どちらか選ぶとしたらどうなったんだろう。というか地下鉄の事件を阻止しようとしたのなら、この二人を見捨てたという見方もできるかも。あと、個人的には「成長」するとしたら、存在理由を両親でも桃果でもなく、自分の中で作り出すことだと思うんだよなー。
 さらに言えば、陽毬と冠葉の関係ももう少し深く説明して欲しい。たとえば、現状では冠葉が陽毬を保護しているけど、逆に、陽毬が冠葉を保護せざるを得ない状況になったとき、陽毬はどうするのか。自分たちを裏切った両親、その組織に取り入って家族をそして陽毬を守ってきた冠葉、でもその組織から見捨てられパトロンを失い、家族を支えられなくなったとき、そのとき陽毬は――ってとこまで踏み込んでやって欲しいからこそ、今回くらいまでは前クールで終わらせて欲しかった(汗)。
 そういえば、こどもブロイラーは、劇中において「実在する場所」なのだろうか。それとも精神状態を表す抽象的表現なのかな。ペンギン達のギャグ表現も含めて、本作は「抽象的」な面を残した形で表現している感じだけど、個人的にはそういうのって煮え切らなくてあんま好きではなかったり……。