獣の奏者エリン 第33話「飛翔」

 飛ぶことを憶えたリラン。逃げ出さないようエリンは乗りこなすための特訓を始める――。
 母子の邂逅。
 まさにエリンが、リランの母親になろうとしている。リランを守り、リランを助け、リランに教え、リランから教えられる……。自らの母親を思い出しつつ、あくまで闘蛇を獣としていた母の考えを越えるのがいい。
 しかしリランを狙うキルクの姿が。キルクはエリンに対して心酔しているように見えるから、今のところは大丈夫そうだけど、それでも危ういのは確かだし、指示を出している人間が強硬な態度に出たら……。
 そしてついにエリンとリランが! おおお、格好いいわー。しかしこれはかなりまずいのでは。国家の象徴で、最強の軍事兵器、でも国内では誰も乗りこなせていない王獣を乗りこなしちゃうわけだから。消されるのか、それとも担ぎ出されるのか……。エリンを見ていると、母親への仕打ちに対する復讐はまったく考えていなさそうだし、今のまま平和に生きていくのが一番だろうなぁ。
 冒頭出てきた鳥の表情が良かった。リランの表情もそうだけど、感情が読み取れそうな表現がうまい。動物も人間も、デフォルメ化しているのにちゃんと感情を表せるのがすごい。