コードギアス 反逆のルルーシュR2 第25話「Re;」(終)

 ナナリーと対峙するルルーシュ。フレイアのトリガーを握るナナリーに、ルルーシュは決断を迫られる――。


 最終回。
 この作品については、ただ受け入れるだけ。
 それだけ完成された作品だった。
 それは「完璧な作品」ということではなくて、むしろ大きな揺らぎが含まれていた。その揺らぎを「自然なもの」として受け入れられるほど、完成された世界が構築されていた。
 それを成し遂げたのは、圧倒的な密度。ってゆーか、作り手側の視点でこの作品を見ると、ある意味もったいない(爆)。
 作品を構築するためには、構築するための部材となる「要素」が必要で、監督や脚本家といったクリエイターはその要素をなんとか産み出し絞り出し蓄えて、枯渇しないよう少しずつ部材として活用して作品を構築する。だから本当は、間が保って人気が得られる範囲でできるだけ部材を間引き薄めることがむしろプロとしては必要な技術だと思うんだけど、そんなことまったく考えずにこれだけ惜しげもなく要素を詰め込んだのは、ある意味驚異的。
 かといってただ詰め込めばいいってものでもないのは他作品を見ても明らかで、すごいのはその要素を惜しげもなく捨てちゃってること。本当、これだけネタがあったらもったいなくて大事に使ったりするものなのに、ばっさりばっさり捨てていっちゃうんだからなぁ。でもだからこそ話がまとまり、本当に重要なことだけが浮き出ている。
 この作品は、作り手側から見ると、もしかしたらやっちゃいけない禁じ手だったんじゃないか、とすら思えたり。これはサンライズじゃなきゃできない力業だろうなぁ……。
 ただ同時に、この作品はアニメはまだここまでやれる、ということを見せてくれた希望でもあったかな。
 一ファンとして、なによりこの作品が「ロボットアニメ」だったことが嬉しかったり。最後の紅蓮対ランスロットの戦闘シーンは素晴らしかった。実質的なロボットアニメがガンダムくらいになった昨今、新しいロボットアニメが創れるんだ、という希望を感じ取れたのは大きかった。3年後くらいでいいので、またこのレベルの作品を作って欲しい。


 最後にひとつだけ、内容について語るとしたら……ルルーシュの生き方、死に様が正直うらやましい(爆)。本当に欲しかったものを手にして死ぬことができた、幸せな死に方だったと思う……。