電脳コイル 第26話「ヤサコとイサコ」(終)

 眠り続けるイサコに、ヤサコは呼び掛け続ける――。


 最終回。
 すげぇ、かなりちゃんと完結した……。メガマス社の件やカンナの件も解決できたし、探偵局の残りメンバーも判明した。この辺は投げっぱなしで終わると思ったのに。
 ヤサコとイサコがなんかすごいラブラブっぷりだ(爆)。名前から何から、この二人は鏡像として機能していたんだなぁ。お互いに自分のないものに憧れ、反発して……しかも最初の因縁は恋人の奪い合い(爆)。最初は単なるライバルキャラだと思ったのにここまで話の中心になっているとは思わなかった。
 それにしてもこの設定は考えさせられる……心の癒しとしての電脳空間、癒しが痛みを消す、でもその痛みこそが人々の心の拠り所だとしたら――。デンスケを失った痛みこそが真実で、その痛みを否定してはいけない、ということなのかも。メガネを掛けていないヤサコ達にデンスケが見えたのはそういうことかな。
 最後は結局オカルトっぽくなっちゃったけど、それでもかなり近未来にありそうな電脳空間の設定は非常に素晴らしかった。これほどまでに緻密な設定とそれを十二分に活かした画面表現は他に類を見ないです。脚本もとても練られていて良くできていた。暗くなりそうな話なのにエンターテイメントとして十分楽しめたし、特に第12話「ダイチ、発毛ス」は神。作画も絵柄とは裏腹にすごく良かったし。
 とにかくとても素晴らしいアニメでした。このアニメはずっと心に残ると思う。