ほとはー外伝3 P.116

ほとはー外伝3 P.116
 ひとまずの決着。


 白ナノが手を引いたのは、単純に黒ナノが「嫌い」だから。どちらかというと同族嫌悪みたいなもので、自分に似て、自分の持っていないものを持ち、自分が持っているものを持たない黒ナノを認められない、けれどもやはり自分を元に作られた個体、否定するわけにもいかないし、これが将来自分の姿になるのであれば、身を引くのは自分の方――そう白ナノは思ったわけです。
 白ナノが「一緒に暮らす」ということを選択しなかったのは、もし一緒にいれば黒ナノを壊してしまうのではと思ったからです。APである白ナノに比べれば「ドジッ娘」で、なのにハオシャオに近い位置にいる……まぁ白ナノにしてみれば「ブリッコした自分」なわけで、むかつくことはなはなだしいという。
 ……実は、最初の案では実際に一緒に暮らさせて、その間に起きる不和を描いてから今回のような件になる、という流れでした。その中で諍いや、実際に白ナノが黒ナノを「壊す」シーンを入れる予定だったのですが……色々な都合でその部分をはしょってしまったのでわかりにくくなっているかもしれません。
 さらに、このポイントで漫画としては禁じ手と言ってもいい「主人公の引き継ぎ」をさせてしまっているので、その点でも分かりづらいかもしれません。黒ナノは白ナノがベースになっているとはいえ、性格が結構違うし、白ナノもちゃんといるので感情移入しづらいかも……。ただ、ここはできる限り両者の立場で描きたかったので少しわかりやすさを犠牲にしています。これからの展開で、その辺をカバーできればと思います。