第3話 三者三様 (11) [△ ▽]

「ねぇ、むこうのごはんってどうだったの?」
 うめにとって、今美味しく食べてもらっているのはわかっていても、仮想敵についての情報はないに越したことはなかった。
「うーん、一概には……味の種類がこことはだいぶ違いますから」
 シーバリウは、水から違う、というくらい異なるものに感じていた。
「洋食……っていうとまた違うか、でもイタリアンやフレンチとも違うんだよね」
「いたりあん?」
「あ、こっちの世界のヨーロッパの国のごはん」
「ああ、そうですね、私の姿が似ているからかもしれませんけど、こちらのヨーロッパと我々の国とは大きく異なりますから」
「なんか想像できないなー。そだ! あのさ、私がそっちの国に行くっていうのはできるのかな」
「え……?」
 一瞬、ほんの一瞬、戸惑い。
 でもすぐ笑みが戻る。
「大丈夫、行けますよ。確かHACでしたっけ」
「あー、なんかおっきな組織だよねそれ」
「ええ、そこで手続きをすれば来ることができるという話でした、私が今回こちらに来られたのも、HACによるものだと聞いています」
「それって簡単に行けるのかな」
「旅行程度なら大丈夫だと思います、我が国にも多くの観光客が来ていますから」
「あ……」
 そっか。
 旅行程度……だよね。
「でも、住みやすさならこちらの方が上ですね。科学と魔法では、科学の方が安定していると感じますし、こちらにも魔法が浸透し始めているようですから」
「でも、カガクを使うにしてもお金がなきゃねー」
「ははは、確かにそうですよね。でも確か、月末にいくらか振り込まれるはずですので大丈夫だと思います」
「でも……そだ! バイトしないバイト!!」
「バイト?」
「そ、お金を稼ぐの!! そうすればもっとデートできるよ!」
「……勉強は?」
「う”」