背中の痛み

 やっぱ胃とかの内臓から来てる可能性もあるんだよなぁ。
 1年前にエックス線検査受けてるんだけど、もう一度ちゃんと受けた方がいいのかも。でも総合病院3つ行ってどこも満足できる感じじゃなかったんだよなぁ。どうするかな……。

そろそろです。

 某専門学校でのプレゼンチェックに行ってきます。
 初めてなんでドキドキしています。
 でも2時間シミュレーションしたし、背中の痛みがだいぶ引いたしでなんとかなるでしょう。
 緊張してとちらない事を祈る……。

エピローグ (9) [△ ▽]

 式が、始まる。
 古式に則り、シーバリウは金色の鎧、真美は純白のドレスに身を包み、赤い絨毯の上を進んでいく。
 その横には、各国の王や王妃、親族達が並ぶ。その中にはウムリルや、コメネケ国の紋章を身に着けた者もいた。
 赤い絨毯の先には神官が立ち、その後ろの壇上に、王と王妃がいた。王の視線は全く異なる方向へと向けられ、無関心を装っているように見える。対して王妃は、歯を食いしばり、何かのきっかけがあれば叫び出しそうな気配すらあった。
「シーバリウ殿、マナミ殿」
 神官の前まで来ると、その神官、じいやは、厳かな中に柔らかい笑みを浮かべて、言葉を続けた。
「創主ゴナツ神の命により、両名を神国の主と成す。誓約の杯をもって、永遠の契とする」
 神官は、赤いワインが注がれた純金の聖杯をシーバリウへと渡し、シーバリウはそれを口に付け、次いで真美へと渡し、真美も口を付け、最後にシーバリウへと返し、シーバリウが全てを飲み干す。
フィアリート創主の御加護を授け給え
 神官の呪文と同時に光が二人を包み込み、それに合わせて出席者から拍手が上がる。
 シーバリウと真美の目が合う。今にも、涙が溢れそうになる。
 でも、涙を流すことはまだ、できない。
 ゆっくりと、本当にゆっくりと、真美は来賓へとほほえみを向ける。そうして、参列者一人一人を、ミル。
 瞳に宿る魔法が発動。
 それは、掛けられた者が気付かないほどか細い魔法。だがその強度は、どんな抗魔法力をもってしても防ぐことはできない、かつて真美が持っていた魔法を変位し強化したもの。
 真美はその瞳をその場にいる全員へと向ける。王と王妃の顔も。自分の結婚を最後まで反対した二人を。
 この魔法が、数日後、数ヶ月後、数年後に効果を発揮する。その時には――。
 一瞬、気が遠くなり、よろめきそうになる。バランスを崩す前に、シーバリウが真美を抱きかかえる。
「大丈夫ですか?」
「……うん」
 笑顔を見せて、体を起こし、二人は赤い絨毯を逆の方向へと歩いていく。
 その先には、青空。城の五階、テラスの下の広場には、街の民が広場を埋め尽くし、歓声を上げていた。
 これまでの戦乱の世とは決別するための、平和の象徴としての二人。
 片方の手は群衆に向けて振られ、もう片方の手は互いの手を強く握りしめている。
「もう言いませんから、一度だけ言わせてください……ごめんなさい」
「……うん、今日は許す」
「僕はやっぱり、根っからの王子みたいです。僕は、この人達のために生きたい」
「分かってる。私はそんなシーバリウが好きなんだから、胸張っていていいんだから」
「ありがとうございます」
「私こそ」
 真美はシーバリウの手を引いて、自分の方へと向かせる。シーバリウと真美が見つめ合い、群衆から歓声が消え、固唾を呑んで見守る。
「ずっとずっと、一緒にいてくれる?」
「もちろんです。絶対に、何があっても離しません」
 二人が唇を重ねると、拍手と共に割れんばかりの歓声が上がる。その歓声が鳴りやむまで、二人は、唇を、体を、手を離すことは、なかった。


 完

あとがき [△]

 ……小説が完結したのってなんか久しぶりだ(爆)。


 Machicianは2004年9月14日にスタートしました。1年と3ヶ月で完結したということで比較的予定通りだったかなと思います。
 この小説を始めた頃は仕事が忙しい頃で、そんな中で何か創れないかと考えて、わての作品らしい「魔法と科学の対決」みたいなものを見せるために作りだしたのがこの小説でした。
 そのわりには、とりあえず出しただけで世界観を掘り下げる事ができなかったなぁと思ったり(汗)。「彼の地」という異世界の存在や、魔法の研究、魔族、調停委員会、リングガンやワースといった兵器……どれも「紹介しただけ」という感じになってしまったのが……。
 ただ、どれもこれから描く作品で登場してきますので、その前のお披露目って事で許してもらえれば。


 話の方はというと、これまた大変だった……。
 ほぼ毎日連載ということでストックがなくなると急遽設定を作って続きを書かなきゃいけなくて、そのために行き当たりばったりの部分が多々ありました。
 全体の構成は初期のものからは変わっていません。ただ、主要なシーンの間に入っている話、たとえば第5話第8話第10話はあまり練っていなかったので、かなり手抜きして作っている面があります。本当なら、最初の頃にあった設定とかをもっと活かすべきなのに……特に、お笑い関係の話がほとんど入れられなくて、シーンを追うのに精一杯だったのがもったいなかったなぁと。
 逆に、話の中心になっているシーンは結構うまくいったかなと思います。自分的には第7話の石人との戦いが気に入ってます。石人を封印したシーンは全話中一番かっこいいような。
 ちなみに第12話はかなり不満が(汗)。この回はあまりちゃんと決めてなくて行き当たりばったりで始めちゃったからなぁ。サナツカが大ボスってのは物足りん……。
 あーでも、シーバリウとくっつくのはジャージって最初から決めていました(爆)。


 と、キャラに振った所で各キャラについて。
 うめは元気な前向きキャラ。初めからシーバリウとくっつけて、シーバリウが孤立しないようするために必要不可欠なキャラだった。それと同時に、紫恋やジャージの気持ちを引き出すための当て馬(汗)。そういう意味でかなり割り食ってるキャラです。振る舞いがシーバリウと似てるのに、考え方は180度違うんで一度は分かれるけど、基本的に誰でもOKな懐の深さを持つんで、紫恋と同じくらいシーバリウの事を知ったらもしかしたら……でも結局紫恋とくっついちゃったレズっ娘。
 紫恋は待逢の家で「お姫様」として育てられながらも屈折した性格をしている難儀な娘。わてのお気に入り。欲望が前面に出る傾向なんだけど、逆に何でも手に入るからこそ禁欲的に生きなきゃとか思ったりして少し物事から距離を取る傾向にあったり。そういう点ではうめよりずっと大人。でも欲望が強すぎてその点では子供。この点でシーバリウと継ながらないんだよなぁ。一応うめと継ながったけど、かなりの浮気性だし、ひとつの所にずっといられない性格なんでうめが苦労しそう、なのに紫恋にとってうめは絶対にいなきゃいけないんでその辺がジレンマだったり。というかむしろ駄目人間。
 ジャージは初めから正ヒロインを約束されたキャラだった。特殊な目というコンプレックスを持ち、さらに磨けば光りすぎる容姿も逆にコンプレックスとなり自分を偽り続けた少女は、生い立ちという点でシーバリウと似通ったものがあるわけで、しかも魔法という共通の話題があるとなればくっつかないわけがないという。ただ、口調が紫恋と似ていたこともあってうまくキャラを動かせなかったところが。もしジャージがシーバリウとくっつくことに不満があればその辺が原因かも……。
 シーバリウは、なんだか最初はエロゲ主人公みたいなおとなしい感じだったのに、実は……といってもあの屈折した性格や過去の話は最初から決めていたものでした。悩んではいるのに考えてはいないというか、「ただ人のために」という衝動だけで生きてる所があって、それをただの善人と取るか、そうじゃないかで大きく変わってくるわけで、その辺を理解したジャージがゲットしたわけで。ただ、その過去の話をホントは1話使って書くはずだったんだけど、構成上カットしちゃったんで説得力に欠けるかも……。母親や弟とのまさに血で血を洗う戦いとか……って、書いてもそれはそれでどうよって気もするけど。


 次回作についてですが、当分小説は書かないかも。小説は今連載している風雅、舞い一本に絞ることになると思います。
 代わりにマンガの方をがんばる予定なのでそちらの方で期待して頂ければ。白黒マンガはかなりきついと感じてるので、連載するとしたらきっとフルカラーで。描くとしたら「BLOOD and BLADE」という作品になると思います。時は2025年、トーキョー・マフィア「上扇木」の家に産まれた少年と、魔族の血を受け継ぐ少女の物語――。まぁ多分始まるのは1年後くらいだと思うのでそれまで気長にお待ちください。


 いずれまた、僕の作品のどこかでシーバリウ達が出てくると思います。
 それまでの間、憶えてもらえたらうれしいかも。