さくら荘のペットな彼女 第24話「さくら荘へようこそ」(終)

  • 最終回。
  • 序盤は、「一般人」の空太がクリエイターになっていくことで、創作をすることの辛さを知り、プロとしての自覚に目覚めていくことで、この世界の厳しさを描いていった。
  • ところがそこから一周することで、そういう「厳しさ」だけじゃだめだ、というところに行き着いたのが本作のいいところ。
  • 創作って、どうしても受け手の事情が関係してきて、それはつまり運の要素が大きいわけで、自分の才能と努力だけじゃどうしようもない面がある。
  • そこを突破するためには、長期間のトライ&エラーが必要。そしてそのために必要なものこそ、クリエイター達が創作に没頭でき、なおかつお互いに交流できる暖かい住処がいる――それこそがさくら荘。
  • というゴールに落ち着いたのはわりと題材として面白いと思う。この手の作品は、主人公が一発当てて終わり、という物が多いので。クリエイター達の苦悩を丁寧に描いてくれたおかげで、とても共感できた。
  • ……個人的に一番共感できたのは仁さんだ。届かないほどの才能を持った女性に惚れたとき、彼女が「気にしない」と言ったとしても、それでも男は、彼女の横に並びたいと思うわけで……。
  • そういったラブラブ話も話の柱になっていてドキドキさせられた。ななみん派としては最後ましろちゃん寄りの終わり方だったのが残念だけど、はっきり決まったわけじゃないのでこのあとに期待。
  • ……というか、普段ならむしろこういう天然天才系キャラの方が好きになるはずなんだけどなぁ、ちゃん様とか宮子とか。ましろちゃんあんまり優遇されてなかったのかもしれない……。
  • ラブラブ話も含めて、各キャラが個性的で、満遍なくしっかり絡んできたのも良かったし、中の人の演技が素晴らしく熱かったり、そのテンポが凄まじく合っていて素早い掛け合いの応酬が聞いていて心地よかった。日常話が退屈にならなかったのは、この掛け合いのスピーディーさが大きい気がする。
  • 作画も良かった……けど、それ以上に絵作りがとても綺麗で、花火の回や雪の回の絵は本当に綺麗だし、それによって引き立てられるヒロイン達もとても綺麗だった。あと学園祭でのにゃぼろんも素晴らしかった。ああいうのアニメで入れるの難しそうなのに。
  • 原作はまだ続いてるっぽいのでぜひ第2期を! ラブラブ話に決着つけていただきたい。