異国迷路のクロワーゼ 第8話「子供部屋」

 アリスの家に招かれるユネとクロード、だがクロードはなんだか落ち着かなくて――。
 カミーユとアリス。
 女という立場に縛られ、自分を殺すカミーユ。家の道具として扱われ、好きな男をアマンにすることすら許されない……。自分を押し殺さなければならないほど、自由に憧れているのか、それともクロードに――。
 寵愛する妹のアリス。自分の代わりとして様々な物を託していて、同時にアリスの楯にもなっている。アリスとユネを重ねて見たくない理由はどこにあるのか――。
 でも、少なくともアリスはその自分の立場や姉からの羨望を気にしていなくて、それを示すかのようにアニメ版ではアリスが子供の頃の映像が。
 このあたりの組み替えはかなりすごい……原作ではアリスの部屋でカミーユがユネに蕩々と語り続けていて、まるで鳥かごのような緊密感があって、最後のユネの表情も落ち込んでいたんだけど、アニメ版ではアリスがどれだけその部屋での日々が楽しかったのかを語っていて、最後もとても明るい終わり方。展開が同じなのになぜ全然違う印象(汗)。
 原作と見比べてみると、カミーユがクロードの事を話してそれをユネが笑うシーンから印象が違う気がする。原作では嫉妬からか別の感情か、ユネをアリスと同じように「閉じこめる」ために龍の話をしてアリスの服を譲った印象。対してアニメ版は、すべてを諦めていたカミーユに、クロードを通して共感してくれたことへのごほうびとして服を譲り、今の境遇でも外と継ながることができるという希望が描かれていた……ような印象。本作では一貫して明るめの雰囲気だから、こういう形になったのかも。個人的にはアニメ版の方が好みだ……。