魔法少女まどか☆マギカ 第12話「わたしの、最高の友達」(終)

 ほむらの前に現れ魔法少女となることを決意したまどか、彼女の願いは――。


 最終回。
 とても、とても綺麗な終わり方だった。そして、とても、とても現実的な終わり方だった。
 魔女システムは、絶望を再生産するもの。魔法少女は高望みな奇跡と引き替えに戦って死に、魔女へと生まれ変わることでその生も死も報われなくなる。
 まどかの願いによって変わったのは、魔女が生まれなくなったということだけ。世界には相変わらず悪が溢れていて、魔法少女達は戦い続けている。そしてそれを、その世界をまどかは望んだ。
 それはきっと、魔法少女達にとってほんの少しましになったというだけの世界。さやかは倒れ、マミ達は戦い続けなければならず、でもそこには自分たちがいて、守りたい人達がいて、幸せだってある。まどかにとって一番大切な世界。
 ……それを、がんじがらめのルールの中で、リセットではなく現状のまま、最大の力業でルールをねじ伏せて実現した! ほんと、なんっつー力業だよ。まどかは魔女化する時と場所と魔法少女をピンポイントで叩き潰す、それをあらゆる時代の世界中にいる全魔法少女にやってのけるとかどんだけ!
 だがそれこそが素晴らしい。リセットしたり精神世界にとじこもったりする結末は、これまでの全12話で見せてきた魔法少女達の生き様をなかったことにするもの。だからこそ、このまどかの選択による、世界を保った結末は本当に綺麗で美しい。


 そしてそう思わせるほど、ここまでの全12話は完璧だった。ひとつの物語として完結し、かつどの回も強烈に面白い。特にマミの死が強烈だった第3話、絶望を与えられた第6話、命を賭す姿が美しかった第9話、最高に笑えて最高に強烈だった第10話、異常な迫力があった第11話、そして綺麗な結末の第12話。どれも素晴らしく良かった。
 全体的に作画が良くて演出が神懸かっていたのも大きかった。特に演出は本当に素晴らしいの一言。見せ方がうまかったからこそ、すべてのシーンが感動的だった。


 ただ、この最終回はちょっと物足りないなぁという気がしないでもない(汗)。第10話を最後に待たされたために、第10話のようなエンターテイメント性を求めてしまったというのが大きかったかも。その点ではちょっと綺麗な終わり方過ぎたかなー。
 あと百合カプ的にももう少し踏み込んで欲しかったなーとも思うけど、まぁまどかはどこにでもいるからネタやギミックには困らない(爆)のでそれはそれで。それにきっと、いつでも会えて、ずっと会えない二人にとって、「友達」というのは本当に最高の結びつきなんだろう。
 というか、百合作品というのが自分の中で最高に良くて、きっと自分の中の高評価はほむまどやあんさやといった百合カプが大きく占めていると思う。そしてそれを大きく増幅してくれたpixivありがとう(爆)。


 本作はまどかによってルールが変わったことで結末を迎えた。そして、ルールの変わったこの世界は永遠にありつづける。
 ……なのだから、いくらでも続きが作れるはず。この世界に存在する数多の魔法少女達の生き様をもっともっと見てみたい。