Angel Beats! 第13話「Graduation」(終)

 最後に残った音無、奏、ゆり、日向、直井。5人は、卒業式を執り行う――。


 最終回。
 なんだこの終わり方ー!
 ……いいや、最終回はこの際置いておこう。最終回の見所は、奏とゆりっぺがかわいすぎた。うん。


 全体を通して、とても面白い作品でした。
 まずキャラクターが良かった。奏がやばいほどかわいかった! 奏のかわいさは異常。最終回のゆりもかわいかったし、ユイもうざかわいかった。あと直井君もかわいかった(爆)。
 女子陣だけじゃなく、男性陣も特徴的で魅力的なキャラが揃っていた。日向、TK、高松、松下……どのキャラも、かなりクセがあってすごく魅力的だった。キャラクターに関してはもう最高。
 また、そのキャラを生かしたギャグパートがとても面白かった! ギルド潜るとことか試験とか野球とかもうツボです。最終回の麻婆豆腐とか大好きです。
 また、思い残しとそれを満たしたいというテーマも良かった。特に、それがあくまで個人の文脈で語られていたのが良かった。社会通念上こうだーとか、もしくはこの世界のシステムはこうだーとかそういうのまったく関係なく、それぞれの未練と想いが語られ、それを全うしていく。良い生き方、良い死に方というものをとてもうまく描けていたと思う。少なくとも、この世界の仕組みの説明だけで終わっちゃったりしなくて良かった。
 ただ、ラブラブ話はちょっと物足りなかったなぁと感じたり。麻枝准作品の特徴なんだろうけど、「恋」を一足飛びに飛ばして「心の継ながりとしての愛」を描いてしまっているので、いちゃいちゃ度が足りないというか、ユイと日向にしても、音無と奏にしても、ただ信頼しているだけで恋愛感情ないんじゃね?という気すらあるというか。おまえらキスくらいしろよ! という気分。
 ただそれでも、その「心の継ながり」がまさにいい部分とも言えて、13話かけて少しずつ築いていった人と人との信頼関係というもの、その上での愛情が描かれていてとても良かった。それは間違いない。


 ストーリー以外の、作品としてのクオリティも良かったです。
 最初は作画微妙かなーと思ってたんだが、単にキャラデザインが特徴的なだけだった(爆)。戦闘シーン含めてかなりしっかり動いていたし、キャラの動作がどれもこぎみよかった。
 全体的な絵作りや演出も良かったし、なにより効果音の使い方がうまかった! ギャグパートにちょこちょこ入る効果音がコミカルさを際だたせていて素晴らしかったです。それに楽曲や演奏シーンも印象的だったし、かなり音にこだわった作品だったのかもしれない。


 まぁ正直、もっと見たかった部分はたくさんあった。特に魅力的なキャラが最後ばたばたと成仏していったときはなにごとかと(汗)。説明としてじゃなくサービスとして、各キャラの魅力を伝えるためになんらかのシーンが欲しかったなぁと思ったり。前述したようにラブラブ話も足りなかったし、もったいないなぁと。
 あとは最終回(汗)。あの終わり方はなぁ……。せめて最後の最後のシーン、二人がまた……みたいな思わせぶりなカットさえなければ踏ん切りがつくのに! いい生き方、いい死に方が本作のテーマだったはずじゃなかったのかと!
 でも!
 最終回の最後の最後まではとても良かったです。本当に楽しめたし、ほろりときたし、とても好きな作品でした。それだけは間違いないです。


 一応最終回についても言及。
 謎の青年が言っていたことが正しいとすれば、そのプログラムを作成した人物と音無の境遇がまったく同じだから、また同じ事が繰り返されたということ、もしくはループしてそのプログラマーが音無自身なのかもしれない。
 たとえば、ループ構造ということに音無が気付いて、ループから脱出するため、奏と添い遂げるための何らかのプログラムを用意しておいたとか。それがエンジェルプレイヤーだったりとか? だとしたら奏だけがエンジェルプレイヤーを使えたことも、全部ガードスキルだったことも納得がいくかも。
 そうして奏を守って何らかの形でループを破壊しようとした、でも結局最後は奏だけが成仏しちゃって同じ結果でバッドエンド、というところなのかもしれない。何度もループを繰り返してグッドエンドを迎えることができたら、現世で生まれ変わってまた出逢える……とか。まぁそれならそれで、そういうゲームぜひ出してください。もちろんエクスタシー版で(爆)。