迷い猫オーバーラン! 第12話「迷い猫、きめた」

 ブルマ対スパッツの仁義なき戦い、両者を収めたのは希だった――。


 最終回。番組としての最終回は次回だけど、来週は再放送っぽいので。
 基本的にははちゃめちゃギャグ話、でもその根底には、血のつながりのない家族としての継ながり、という重いテーマがあって、それを暗くならずにうまく表現できていたと思う。
 また、希や文乃の成長がしっかり描かれているのも良かった。家族のリソースを奪うことに耐えかねて逃げ出した希が、巧や乙女と触れ合うことで自分の気持ちに正直になる、という過程がゆっくり丁寧に描かれていたのが良かった。今回の「最後まで走りたい」というこれまでとは全く違う声音には震えた。
 そして意外なことに、終わってみたら希エンドだったという。最初は絶対文乃が正ヒロインだと思ってたのに! 文乃のツンデレは出自のせいというのもあるだろうけど、希が自分の気持ちを伝えられるようになった以上、文乃もそこまで成長しないと負けてしまうという。
 あと、主人公である巧が格好良かったっていうのも良かった。ちょいへたれだけど、家族のこととなったらしっかりと主張できるところが格好いい。こういった、「家族」という継ながりについてはしっかり描かれていたのが本作の良かったところ。


 全編通して見た場合、クオリティ的にはばらつきがあったけど、ギャグ回はかなり面白かったし、最後の数回はクオリティ高かったし。最終回の今回は作画演出共に良かったわー、特にエンディングの文字の使い方とか好きだ。
 毎回監督が違うという謎な構成だったけど、思った以上にはちぐはぐにならず、いい感じにぶれていて結果的には良かったかも。温泉回、ロボット回、麻雀回ははちゃめちゃで面白かったし、それでいても希エンドという点ではちゃんと継ながっていたと思うし。
 アニメ版のこの時点では希有利という感じだし、希がああ言って、お互いの気持ちを認識したうえで巧にどうアプローチするのかとても興味あるので、ぜひ第2期希望!