ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第12話「蒼穹ニ響ケ」(終)

 目前に迫る敵、戦端を開こうとする自軍、その中でカナタは、停戦を告げる音を聴く――。


 最終回。
 すごく綺麗にまとめてくれた! ぐだぐだになって終わるかと思ったらそんなことなかったし、いろんな伏線についても適度に消化してくれたし、12話かけて少しずつ説明を積んでいった展開も素晴らしかった。
 元に戻すことができないほどに世界は崩壊し、なし崩しの文明をかき集めて生きながらえている人間達も、近く滅びるというのに戦争に興じて死期を早めようとする。
 そんな消えゆく世界、終わりの時代に、国の外れで、軍属でありながら、身分から逃げた者、手を血に染めた者、相対する者を匿い、平和を守ろうとする、そう願う娘達の物語。
 そう見たときに、この展開と終わり方は最高だった。ある意味、地味であるからこそ良かったというか(爆)。派手さのない話、特徴の少ないヒロイン、だからこそ胸を打つ。
 まぁそれだけだったら物足りない部分もあっただろうけど、最後はちゃんとドンパチが、そしてタケミカヅチの勇士が!!! やばいタケミカヅチ格好良すぎる。圧倒的な機動性と見た目に似合わない堅牢さ、さらに反重力装置とかかなりすごかった。これ模型欲しい……。
 本作は科学偏重批判的な部分もあるけど、あくまで5人の物語が中心で、威圧的な啓蒙作品じゃなかったのがよかった。かつての文明を滅ぼしたのがタケミカヅチであり、そして戦争を停めたのもタケミカヅチだったという。
 そういう面でも、始終「地味」というのが本作の良さだったと思う。狙いすぎず、絶妙なラインを綺麗にまとめた作品でした。