獣の奏者エリン 第50話「獣の奏者」(終)

 シュナンを助けようとリランを駆るエリン。だが王獣を前にしてリランはやはり暴走してしまう。我を取り戻させるためエリンは――。


 最終回。
 本当に、本当に素晴らしい作品でした。
 一貫して描かれた親と子の物語。けして押しつけるのではない、それぞれの登場人物が本当の気持ちで行動してその姿を見せる、そうして紡がれた、重い、重い物語。
 特に最終回は、エリンがリランを子として心配する気持ちを、ソヨンがエリンを心配する気持ちに重ねていたのが非常に印象的だった。今回のためにソヨンの死が描かれていたのだとしたら、脚本の完成度が凄すぎる。実際、全50回、ほとんど無駄な回がなかったのが凄かった。
 話としては、ダミヤが死んで終わり、になっちゃったのがもったいない。ダミヤが本当に意図していたことや、ヌガンがこのあとどうなったのか、そしてあの子供の父親は結局誰なのか!(爆) その辺まで見せて欲しかったけどまぁそれだと詰め込み過ぎか。
 そして、作画と絵作り、演出も神懸かっていた。これまでのアニメにない、絵本的でありながら生々しい映像表現が強烈に印象に残った。雪景色のような渋い絵から、圧倒的な迫力を見せた王獣の群れまで、視聴者へと印象がストレートに伝わる絵だった。
 最高のストーリーと最高の映像を一年間50話楽しませてくれたことに、本当に感謝します。