NHKスペシャル「安全の死角〜検証・回転ドア事故〜」

 「ドアプロジェクト」と呼ばれる、森ビル・回転ドア事故の根本的原因を解決しようという計画。*1
 非常に興味深い内容でした。システム開発業界にも参考にできる部分が非常に多く、逆に難しいと感じさせる面も。
 特に興味深かったのが「技術の系譜」。回転ドアがいかにして(エンドユーザーではなく)ビル側の要望に応えて改善されていったのか、その流れを追うというもの。ヨーロッパで確立された技術を中途半端に受け継ぎ、大切な事が捨てられてビル側の要望だけが付け加えられていった結果、あの事故を起こすような回転ドアができたとゆー。
 これ、受託システム開発でも同じような問題が出そうだなぁと強く感じました。今のシステムも、予算と工期の極端な削減で、やっつけ仕事的にバージョンアップを重ねていくこと多いからなぁ。
 プログラミングってよく「まずぐぐれ」とかゆーんだけど、それって根本的にダメだと思うんだよね。たとえば、間違った情報が検索のトップに出てきたらどうするん? ぐぐって出てきたページに「本当にちゃんとしたプログラムの作り方を説明するページ」がどれだけあるん?
 たとえば、 Java で言えば、フィールドはそれこそ全部 public でも動いちゃうわけで、もしかしたら「ぐぐって調べた結果それで動くことが判った」結果、そうやって作るかもしれない。そんなばかなと思うかもしれないけど、それより極悪な実例を見てる人間としてははっきり言える、そういう事は本当に多いと。
 それに対して「ちゃんと勉強しない方が悪い」とか「動くものできればいいやん」って人は、事故そのものを肯定してることになるかと。


 ……結局、そこに行き着くんだよなー。
 みんな、エンドユーザーのことなんて考えないんだよなー。
 自分の仕事だけすりゃよくて、それ以外のことなんて気にしないんだよなー。
 あなたは、自分の家族が、ドアで指を挟んだとき、「バカだなぁ」と思いますか?
 その時「ドアの方が悪い」と考え、実際に解決しようと考える人をどうやって増やしていくか――。


 愛って大切だ(爆)。

*1:火曜深夜に再放送しますので興味ある方はご覧ください。