第2話 好きとスキと (7) [△ ▽]

「英語は得意なのに……」
「英語と日本語は必須科目でしたし、英語を話せる方は多かったので……ですがこれは……」
 画面には数学の式が書かれていた。
「はっきり言って、全然わからないのですが……」
「私はダメよ、苦手だもん。紫恋……は無理ね」
「失礼ね」
「じゃあ紫恋おねがい」
「ごめん無理です」
「高士君は?」
「ってゆーか先生に訊けよ」
 投げやりな反応。
「ま、そりゃそうよね。せんせーい!」
 細身の男、数学の教師がシーバリウの隣に立つ。マウスを操作して「復習」ボタンを押す。
「……中一のも解らないのか」
「ええっ!?」
「山田は授業を続けなさい」
「はい……」
「ちょっとクラス一覧を見せてもらうね」
「はい」
 とよく解らず返事する答を聞く前にシーバリウの「クラス一覧」が表示される。生活必需クラスで誰もが持っている「カード使用レベル2」や、何に使うんだという「乗馬レベル5」「刀剣レベル3」と共に、各教科の「義務教育レベル9」がずらっと並ぶ。
「確かに取っているね……」
 義務教育クラスは、学校によっては未だに各校個別試験が行われているため、こういったこともあるかもしれない……教師は眉間に皺を寄せて。
「仕方ない、復習モードで中一のをしていなさい」
「は、はい……」
 しょんぼりするシーバリウ。
「王子……中一のなら私教えられるからだいじょうぶ!」
「は、はい、ありがとうございます。……あ、じゃあこの扇形の面積の求め方ってどうするんです?」
「はい紫恋」
「ダメじゃん」