新世界より 第25話「新世界より」(終)

  • 最終回。
  • 2クール掛けて丁寧に紡がれた壮絶な物語だった。
  • フラットな物の見方ができる剛胆な主人公、早季ちゃんが、自らが巻き込まれながらも世界の真実を暴き出す――ことを通して、今の世界を描き出す物語だった。これを幼少期から丁寧に描いて、しかも戦まで起きて決着まで持っていく物語は凄かった。
  • 本作のもう一人の主人公、スクィーラがとても印象に残る。最終回にはっきり語られちゃったけど、視聴者世界から見た場合、むしろ我々を駆逐するのは早季ちゃん達呪力を持つ者側なわけで、だからこそスクィーラにも感情移入できるという。これ、スクィーラ視点の話も見てみたいなぁ。
  • 覚が言っていた「同胞として見れるか」という言葉が非常に重い。それこそが、敵と味方を区別する分水嶺で、そう見ることができなければ、親でさえもヒトとみなさなくなる。愧死機構が主観によって同胞を判断するのがまさにというか。
  • ……と、ストーリーはとても良かった。思っていたことを丁寧に描いてくれたという点では素晴らしかった……けど、それを超えて、もっと意外性が欲しかったなぁという欲張りな気持ちも。
  • あーでも、社会システムはかなり特殊で、そこは十分に楽しめた。完璧を目指す社会システムがいかにして構築されているのか、そしてその限界が露呈する展開は素晴らしかった。
  • あと、もー少し媚びても良かったかなぁとか思ったり。公式ホームページでやってる早季ちゃんとスクィーラの解説ほどじゃなくても、もちっとなんか、こう……。レズレズ展開とかもちょっとだけだったし。
  • というわけでちょっと物足りなかったけど、でも総じていい作品でした。こういうのがアニメでももっと増えるとうれしいなぁ。