2008年アニメ私的ベスト10

 毎年恒例、アニメ私的ベスト10です。
 これまでのベスト10他へのリンクはこちら。

 選考基準は以下の通り。

  • 「今年最終回を迎えた作品の中で実際に見ていたもの」から選んでいます。来年まで続く作品(とらドラ!とか)や最初の数回だけ見て切った作品(To LOVEるとか)は含まれていません。
  • 「期」が変われば異なる作品とみなします。たとえば「CLANNAD」と「CLANNAD AFTER STORY」は別作品としています。
  • TVで放送されたものから選んでいます。映画やDVD、ネットのみのアニメは含まれていません。
  • テレビ局は関東VHF+tvk+東京MX+BSデジタル。ほとんどのアニメをカバーできていると思います。見られないのはWOWOWスクランブル放送AT-Xのみで放送された作品くらい。
  • アニメオリジナル作品(原作のない作品)を高く評価する傾向にあります。
  • 最終回が良かったものを高く評価する傾向にあります。
  • まぁ「私的」ですので怒らないで(爆)。

 では第10位から。

  • 10位 灼眼のシャナIIゼロの使い魔〜三美姫の輪舞〜狼と香辛料「紅」
    • ラノベ組。今年はラノベのアニメ化作品がかなり増えたけど、でもどれも安定して良かったです。個人的に良かったのはこの4つ。特にシャナは戦闘シーンの気合いの入り方が凄まじいし、キャラも好き。ぜひ第3期を!
  • 9位 BAMBOO BLADE
    • 「青春」っていうものを描ききった作品。一生懸命部活するって楽しいよ! という平凡だけど最近では新鮮なストーリーを下地に、めちゃめちゃかわいくていきいきとしたキャラクター、そして凄まじい迫力を誇る剣道の試合。特に剣道のシーンは、描くの大変なのに選手視点の絵が多くて、それがキャラクターの心証を表現していた。
  • 8位 true tears
    • 超正統派ラブコメ。ものすごいベタな恋愛物語を真っ正面から描いた作品。とてもリアルな恋愛劇が描かれていた。それを支えた絵作り、そしてその絵作りによって表現されていた、雪が降り積もる村の情景が丁寧に描かれていたのも素晴らしかった。ただ個人的には、「綺麗すぎた」というか、アニメなんだからもう少し漫画的な表現があったらなーと思ったりも。そういう意味でドラマ的すぎたかな? しかしアニメでそれをしたというのがすごいとも言えるわけで。
  • 7位 二十面相の娘
    • 今年一番の「もったいない」作品。ほんっとーに、第7話以降はなんだったのかと! しかしそれに目をつぶれば、チコのかわいさと格闘シーンの凄さは一級品。特に格闘シーンは本当に凄かった。地の利や体格、小道具を生かした組み立てができていて、その上で最高の作画。ほんと、ストーリーがもうちょっと良ければ大化けしたのにと思うと激しくもったいない……。
  • 6位 デルトラクエスト
    • 数少ない貴重な正統派ファンタジー作品。強くない勇者・リーフを主人公に、ツンデレヒロイン・ジャスミンに、頼れるけど頼りきれないバルダと、とてもキャラクターが個性的で魅力的。作画も良く、3DCGのボス戦は迫力満点だった。原作が子供向けだからかクイズとかがあってちょっとあれだったけど、でもリーフとジャスミンの仲があそこまでくっついてくれたのでよし!
  • 5位 CLANNAD
    • ……本当は、ここで取り上げるのは微妙だ(汗)。どーせAFTER STORYが来年の1位なんだろうから特に書くことはない(爆)。ただ、素晴らしい原作を、最高のクオリティで表現してくれた。それだけは言える。
  • 4位 屍姫 赫
    • 極上のホラー。とにかく演出が凄まじかった。ここまで怖く、ここまで熱い作品はそうない。作画や全体の絵作りそして演出がすごすぎ。それに、ストーリーも語りすぎない、でしゃばり過ぎないものだったのも良かった。まぁ、第2期始まっちゃうんでこれもこのランキングに入れるの微妙なんだが(汗)でもこのあとグダグダになっちゃうかもしれないし、とにかく第1期は本当に迫力満点だったので。
  • 3位 ARIA The ORIGINATION
    • とてもとても、美しい物語。――でも、ただ単に「綺麗」というだけじゃなく、スポコン的な美しさというか(爆)。第2期はファンタジー分が強すぎて綺麗すぎた、潔癖すぎたんだけど、第3期は灯里達ウンディーネの悩みに焦点を当てたことで、悩みや葛藤の上にある美しさを表現しきれていた。この人間くさい美しさがとても良かった。作画や絵作りもとても頑張っていて、それが全体として至上の物語を産み出したのかも。
  • 2位 ストライクウィッチーズ
    • なんだろう、この作品を第2位にするっていうのがなんだか負けた気がするんだが(爆)。でもミリタリーx百合xエロxネタを組み合わせた至上のエンターテイメント作品に仕上がっていたのは確か。ひとつひとつはバラバラなのになんでこんな綺麗にまとまってるんだか。第6話は美しく、第7話はバカバカしく(爆)、最終回は熱かった。それぞれの回だけじゃなく、キャラの魅力や全体の雰囲気もとてもいい作品でした……ネタアニメには違いないのに!
  • 1位 コードギアス 反逆のルルーシュR2
    • とにかく破格。甘えを排除したストーリーを圧倒的密度で魅せてくれた。ロボットもので作画が良かったのもよし。とにかく最高。

 今年はコードギアスが突出して良かったという感じが。個人的にこれだけは別格。アニメってここまでやれるんだなぁ、ということを発見できた想いが。
 ベスト10を眺めると、「エンターテイメント」としてのバランスに優れた作品が多かった気がする。ギャグとシリアスのバランスが良くて楽しみやすい話作りをしていたし、作画や絵作りのクオリティも高くて見ているだけで刺激的だった。
 かといって視聴者に迎合しているというわけでもなく、逆に挑戦的ですらあるような。パンツをズボンとかありえねぇ(爆)。スト魔女って超色物のハズなんだが抵抗なく受け入れられるのはなぜ。こういう無茶ぶりっぷりは決してなくならないで欲しい。アニメがフィクションである以上、外連味やバカっぽさは重要なファクターだと思うので。


 全体の傾向では、エロゲ原作作品が大幅に減って、代わりにラノベ原作作品と女性向けが増えた感じが。
 多分エロゲをアニメ化するのはリスクが高すぎて敬遠されたんじゃないかなと。元々のシナリオがとても長くてそれをアレンジして短くするのが難しいし、ヒロインのうち誰とくっつけるか決めるのももめやすい。それに、エロゲそのものに魅力的な作品が減っちゃったというのもありそう。
 代わってラノベ原作作品が増加傾向に。漫画に比べてストックが多いし、アニメ版での改変がしやすいから全体的に作りやすいのかもしれない。
 ラノベ原作作品でひとつ心配なのは、ちゃんと最後までやるのかな、という点。結構先の巻まで出てる作品がアニメ化されているけど、それをアニメ側がちゃんと追ってくれるのかなぁと。特に、シャナが途中なのに禁書始まっちゃったのが心配なんですが(汗)。禁書もかなり巻数あるみたいだし……。
 女性向けは安定して増えてきた感じが。感想は書いてないけど結構観てます(爆)。ガンダム00みたいに男女両方に訴求する作品もあるし、全体的なパイは広がってきているかも。
 反対に、「面白い子供向け作品」が減ってきてる気がする……。ストーリーがちゃんとあって、キャラがかわいくて、毎回同じパターンだけど見ていて飽きない――そんな作品。マイメロはあんなになっちゃったし、バシンやイナズマイレブンはおもちゃにべったりだし。以前のマイメロや、どれみやふたご姫みたいな作品がまた出てくるといいなぁ……。


 という感じに、ここ数年でも作品の傾向が大きく変化している感じがします。
 原作の供給状況が変化し、世界情勢も読めず、アニメ製作はデジタル化がさらに促進して表現手法に幅が生まれてきた。その中で、どんなストーリーを、どんな絵作りで表現するのか――2009年も楽しみです。
 ちなみに2008年の間に「とりあえず第1話は見たアニメ」は108本でした(爆)。東京MXとBS11が視られるようになってしまいエアチェック率が異常なことに。来年はこれに加えてネットだけのアニメも入れることになりそうだなぁ、というかCandy boyは入れざるを得ない(爆)。
 何を意地になってそんなにまでしてアニメ見るのかという気もしますが、まぁ人生変わっちゃうようなものもあったりしますから。