ぐち。

 プログラミングの講師をしている身としてはとても重要な問題だ。


 プライドの問題を別にすれば、この小学生の反応は当然だと思う。
 人間が関われる「世界」はとても狭くて、貴重な時間を割いて学習をしている以上「自分が接している世界」において武器になるものでなければ学習する意味なんて全くない。それが「目上の人間に命令されて」ならなおさら。


 わてが新入社員でJavaを教える場合、その生徒達が所属してる企業の多くはピラミッドの頂点かその少し下の会社で、生徒達は教わったJavaを実際に使う機会があまりない。
 生徒達は営業やプロジェクトマネジメントやコンサルタントとかの卵で、バリバリの開発者になることはその企業にいる間はまずない。
 だから生徒達は、Javaを学ぶことに不安を感じている。つまり、新入社員研修という貴重な時間を「本当に意味のある学習」に費やしているのか、という不安が。もっと他に学ぶべき事があるんじゃないかという不安が。仕事に使えることを教えてくれ、という切実な希望がそこにはある。


 Javaは企業向け開発案件では最もメジャーな言語だし、開発者の側としては上流行程の人達が現場の言語を知っていることはとても重要だと思う。
 だから正直「Javaぐらい知っていろよ!」と思う。
 でも、生徒達にとってはそんなことは関係ない。重要なのはこれから配属される現場で生き残ることで、そのためにはJavaなんかよりもソーシャルなスキルの方がよほど重要だ。


 結果として、生徒達は「Javaなんて勉強したって意味ないよ! だって使わないもん!」と言うわけだ。
 もちろん教える側としては「いやいやいや、そんなことないよ。Javaくらい知ってないとこの業界じゃやっていけないよ?」と言うわけだけど(だってうちの本当の顧客は、生徒達じゃなくて生徒達が所属する企業の人事部だし)、でも全然説得力ないわけで。


 だからわての場合、あまりそういう方向では教えないようにしています。
 方針としては「プログラミングって楽しい!」と感じるように教えます。「ああコーディングって楽しい、作ったプログラムが動くのって面白い!」と。
 で、将来ドロップアウトしてフリープログラマーにでもなってもらえればいいなと(爆)。
 そのくらいでいいかなと思ってます。何を学ぶかも、教わったことをどう生かすかも、個人の自由。将来生かすもよし、結局使わないもよし。


 って、教職をなりわいにしている人間がそんなこと言っていいんだろうか(爆)。
 でもそういうもんだと思うんだよなー、教える側が「学ぶ項目の優先度」を決めることは傲慢だし、学ばなければならない理由を説明できなければ能力不足だし。
 そもそも、自分が教える内容を「当然」と思うことが一番いけないんよ。「骨が折れた」→「苦労した」、「顔が広い」→「交友関係が広い」と置換する弊害なんて過去文献の読解と意思の疎通に若干苦労するくらいしかないんだから。新しく勉強する人が「慣用句使って意味あるん?」と思うのは当然。Javaだって「ホントにそれ使えるん?」と思うのも当然。
 教師は教える内容を愛してはいけない。そんな暇があったら生徒を愛せ。


 うわ、なんだこのぽえみぃな文章は。つかもう3時過ぎてるやん。睡眠時間3時間? はよねよ。